瞬間、瞬間がLOVELOVESHOW【Today’s BEe Life】

ロックスターになれば羽が生えてきて

THE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演が開催されました。リリースされたプロモーション広告などでは「17年ぶりの東京ドーム」とのコピーが踊っています。あれからもう17年も経ったとはにわかに信じられない気持ちです。THE YELLOW MONKEYは1992年にメジャーデビュー、類い稀な活躍で多くの人々を魅了した後、2001年に活動休止、そのまま2004年に解散したロックバンドでした。
長い時を経て2016年に再結成。サナギから蝶になる如く、ドロドロに溶けた何かが再び形を創り、その羽を広げたのです。長年のファンにとって、もちろん、かくゆう私にとっても彼らの再結成は奇蹟でしかありません。個人的に昨年は一年に三度もライブに足を運んだというお祭り騒ぎだったのですが、今回の東京ドームは、とても静かな興奮を覚えた夜でした。静かな興奮というのは言い得て妙ですけど、ひと言では語れない自分の中のサナギに想いを馳せたと言いますか、彼らの歩みは自分の歩みそのものだったことを感じ入った夜だったのです。

ファンの心理はミルフィーユ

何年か前にポールマッカートニーが来日しました。日本で観るのは最後になるかもとの噂も流れプレミアチケットは瞬く間に売れました。私はビートルズ世代ではないものの一度聴いて観たいと向かいましたが、30曲は超える曲をお水も飲まずに歌いきるボールの姿には驚きです。最後だなんてことはないでしょう。その後彼が突然体調を崩し公演が中止になっても買ったチケットは払い戻さず手元に持っておくという人も続出したのだとか。私だって、もしもTHE YELLOW MONKEYの公演が同じようになったとしたら、手放さないかもしれません。なぜなら、これは彼等のライブではなく私のライブだから。いや決して大げさではなく!です。“ファン心理”というのはとても多くの襞でできているミルフィーユみたいなもので、大好きな気持ちと、幾重にもなった捨て難い自分の投影を孕んでいます。ポールも、THE YELLOW MONKEYも、ファンにとっての大切な彼等は鏡の国のように魅力と魔力に溢れた世界です。

みんな鏡の国の住人たち

5万人がいる会場で、彼等がひと言LOVEと鳴らせば、音と言葉は5万通りに分かれていきます。波紋のように。波紋を受けとったみんなの目に映るのは、そのひとりに一つの彼等、つまり5万のTHE YELLOW MONKEYが存在しています。ポールだってそうです。
そもそも5万人の17年という年月に起きた出来事は5万通り。それぞれのドラマの中にTHE YELLOW MONKEYの音楽が流れて溶け込んでいたわけです。
考えてみると、実はみんな同じことが起きているのではないかと思えます。自分というひとりが放つエネルギーは、あっという間に周りで関わっている人の数だけ分かれて広がっていきます。THE YELLOW MONKEYとの違いは人の数が多いか少ないか?あとは、どれだけ鏡の世界が魅力溢れるものなのか、どうか?といったところでしょうか。だからいつも始まりは自分。そして周りはただ受け止めては投映させているだけ。みんな鏡の国の住人なのです。どんな音を鳴らして、どんな言葉を発するのか、瞬間瞬間にそれを意識することはとっても大切だと感じます。瞬間、瞬間がLOVELOVESHOWでありたいものです。